サーマルペーストvs.サーマルパッド

過熱対策

過剰な熱エネルギー(過熱)を管理することは、現在の電子機器設計および製造プロセスの重要な側面です。設計コンセプトと製造の現実のバランスを取りながら、エンジニアは最適なアプローチを見つけることに苦心しています。

ヒートシンクやその他の機械コンポーネントは、電子部品の温度を最低限に保つのに役立ちますが、これらのコンポーネントを他の電子機器に連結するために用いるサーマルインターフェイス材料も重要な役割を持っています。デバイスはより薄く、小型化される傾向が続いており、 サーマルインターフェイス材料は、放熱のための重要な要素です。 

 

サーマルパッドは、おなじみのソリューションを提供しますが、そのコストはどれくらいですか?

パッド形式のサーマルインターフェイス材料(TIM)は、これまで電子製造で最も一般的であり、TIM市場の大部分を占めていました。パッドTIMは、薄膜、より厚いギャップフィルター、相変化材料などさまざまな種類が利用できます。これらのパッドは、通常は手作業を用いた常温塗布または光接着剤を使用して、パッドをコンポーネントに接着させます。特殊な工具や装置を必要としません。

サーマルパッドを用いたアプリケーションプロセスが簡単でも、 デバイスのそれぞれのパッドが手作業の塗布作業とカスタムダイカットによる高い製造コストによって、 それほどコストは下がりません。場合によっては、1つの装置に20以上の異なるサイズのサーマルパッドがあることがあります。市場の変化に対応するために再設計が行われると、新しいサイズのパッドを作成するコストが大きく増加することがあり、複数のデバイス再設計の収益性と実行可能性に影響します。

さらに、ほとんどのTIMパッドにはたわみ制限があります。アセンブリ作業員は、パフォーマンス低下や製品のリコール可能性につながるTIMパッドの破断や細断を避ける必要があります。

 

ディスペンス可能なTIMは効率性とコスト節約を提供

TIMパッドの代替品は、非硬化性コンパウンド、接着剤、封入剤、ゲルを含むさまざまな形態のディスペンス可能なサーマルインターフェイス材料です。

ディスペンス可能なTIMを使用している製造メーカーは、通常以下の理由によって、大幅なコスト削減に成功しています。

  • 材料の供給と吐出工程は通常自動化されるため、作業と人件費が大幅に削減される 
  • 1つのTIM材料最小在庫管理単位とカスタム吐出機能によって、複数のTIMパッドサイズを作成することに関連するコストが削減される 
  • 基本デバイス再設計およびTIMパッドサイズ変更によって発生する追加の設計コストと材料コストが削減される 
  • 正確なTIM吐出システムは(最適化が行われた後では)、実質的に過剰な材料を排除して、長期的には大きなコスト削減となる。

誤解が混乱と心配を生む

ほとんどの電子機器製造メーカーは、通常手動でのパッド塗布工程に慣れており、リスク回避のため、当然のことながら、ディスペンス可能なサーマルインターフェイス材料に不満を持っています。一般的な認識は、すべてのディスペンス可能な製品が厄介で制御が難しく、最終的にはマテリアルハンドリングの問題が生じるというものです。

少ない流体材料ディスペンス経験と流体ディスペンス装置の知識不足によって、プロセスエンジニアとオペレーションマネージャーは製造工程の不良によるTIMの不正確な塗布、ダウンタイム、スループット低下を恐れています。

ディスペンス可能な TIM の早期使用についてのストーリーは、否定的な見解に一役買っているようです。 特に TIM などの液体材料を吐出する際、粘度や吐出精度の課題は簡単に解決できるものではありません。やり直し作業の可能性、清浄度の懸念、特定アプリケーションの要件といった懸念の種類にかかわらず、これらの誤解によって製造上の課題が克服できないと思われています。

 

正しいパートナーによる正しいプロセスを定義する

電子機器の製造では、 長期的な成功率は適切なプロセスの開発にかかっています。 パッドからディスペンス可能な TIM への移行も例外ではありません。製造メーカーは自動液体ディスペンスを含む新しいプロセスが機能することを確認するだけです。

ほとんどの場合、成功したプロセスは複数の分野の専門家による生産的な共同作業から始まります。ディスペンス可能なTIMに移行する際は、プロセス変更によって製造業者を導く、真のパートナーシップ経験と継続的なサポートを提供する正しい外部パートナーを見つけることが重要です。 

予算とリソースは必ず密接な関係があり、材料サプライヤーとディスペンス装置プロバイダー間の協力関係は重要です。これらのパートナーは計画初期に協力して適切なディスペンス実験を行ない、実験シナリオを通じて作業し、プロセスデータを提供して、電子機器製造メーカーがプロセスを特定し、改良することを支援します。

材料サプライヤーは、装置メーカーについて中立の立場を取ることを好むので、正しいパートナーシップを見つけるには、可能なパートナーを吟味するための時間がかかることがあります。別の課題としては、自動吐出装置の一般構成によるものです。

ほとんどの自動化されたディスペンスソリューションは、供給、ディスペンス、XYZモーションテーブル、モーションソフトウェアの異なる製品と技術の組み合わせです。これによって製造メーカーは、自動化された液体ディスペンス装置の設定および継続的なメンテナンスのために、複数のサプライヤーと取引する必要があります。 

 

シングルソース自動吐出ソリューション

TIMパッドからディスペンス可能TIM材料への移行を検討している電子機器製造メーカーにとって、グラコのUniXactは、すべてのコンポーネント、XYZモーション、ソフトウェアを1つの供給元から使用している市場で唯一のエンドツーエンド自動流体吐出システムです。

グラコは1926年以来、液体管理技術で世界標準を確立しています。当社には、多用な電子機器の製造用途向けに TIM またはその他のシーラントや接着剤を正確に吐出する方法を強力して見つけ出すための材料サプライヤーとの関係と経験があります。 当社はお客様や材料サプライヤーと共に作業することで、工業生産での最高のカスタマーエクスペリエンスを提供することに特化しています。また、他の装置メーカーでは対応できない問題を解決するために、トラブルシューティングやテスト、さらにはソリューションを見つけます。 

グラコが正確にTIMを吐出して、正確、信頼性の高い精度でサーマルインターフェイスをディスペンスして過熱を制御する方法についての詳細は、UniXact をご覧ください。

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