モリグリースとリチウムグリースの比較: 大きな問題とは？

二硫化モリブデン (モリ) は、極圧用途で最も一般的に使用される固体添加剤です。モリの粒子は、機器加工表面の小さな欠陥を埋め、衝撃荷重や高荷重時の「溶着」から保護することを目的としていますが、この材料は表面に付着し、コーティングを形成する原因となることでも知られています。なぜモリがグリースに使われるのかについては、いくつかの異なる説明があります。これは、ベアリングの可動部品をコーティングし、グリースが切れたときに保護することで、摩耗を防ぐためだとも言われています。また、モリが実際に研磨性の汚染物質をコーティングし、ベアリング内部の可動面を傷つけるのを防いでいると言う人もいます。塗布の特定の理由が何であれ、モリが使用されるのは、他の材料に付着し、潤滑が安定していないベアリングを保護するのに役立つからです。

自動潤滑は、人為的な要素を減らすことで、一貫性のない潤滑が生じる問題を解決します。自動化により、潤滑イベントをスケジュールし、監視することができるため、一貫した潤滑が事実上保証されます。自動システムは、少量の補充グリースを塗布し、ベアリングの接触面間に一定の潤滑剤の膜を維持します。グリースポイントを見逃すことも、時間を無駄にすることも、汚れたグリースガンを床に置くこともなくなります。自動潤滑の場合、すべてのベアリングに必要なグリースが供給され、潤滑が維持され、汚染物質が除去されるため、モリを使用する必要はありません。

グラコでは、自動潤滑システムで使用するグリースは固形分 5% 以下にすることを推奨しています。モリは固体です。モリ含有量が他の固形分と合わせてグリースの 5% 以下であれば、システムで使用できるはずですが、多くのモリグリースのモリ含有量は 10% 以上です。これらのグリースは、ポンプやバルブの内部で使用しているマッチホーニングされたピストンやシリンダーに負担をかける傾向があり、時間の経過とともに焼き付きを起こす原因となることがあります。

グラコは製品とソリューションを重視する会社であり、グリースを提供する会社ではありません。しかし、お客様の便宜のためにグリースを提供しています。これは固形分を含まないリチウムコンプレックスグリースで、これには理由があります。グリースの相性の問題とは、相性の悪い 2 つのグリースを混ぜ合わせたときに起こる可能性があります。これは、すでにグリースが入っているリザーバーにグリースを補充する際に考慮すべき重要な点です。潤滑グリースは、オイルと石鹸または他の増稠剤の混合物です。グリースの中で相性を決定するのは増稠剤です。リチウムコンプレックスは、他の増稠剤と最も相性の良い増稠剤です。グラコのグリースを使用する場合、リチウムコンプレックスと相性の悪い増粘剤は他に数種類しかありません。

グラコでは特定の用途で使用するグリースの推奨はしていません。なぜなら、適切なグリースの選択は、機器メーカーとお客様次第だからです。ただ、グラコのポンプやバルブを使用するところでは、モリ含有量を含め、固形分の総含有量を 5% 以下に保つことを推奨しています。これにより、グラコ産業用潤滑製品の寿命をできる限り長く保つことができます。