2液コンポーネント材料を動的混合するための機器に関する考察

動的混合を必要とする2液コンポーネント吐出用途では、均一な密度のフォームを作るために適切なエネルギー量で精密な化学反応を起こすことは、十分に困難なことです。それを工業生産の規模で行うとなると、課題はさらに高いレベルになります。流量、比率、RPM、スタティックミキサーなど、吐出パラメーターの調和したバランスを見つけるために評価すべき変数はたくさんあります。  

流量 は適切な混合を達成することに影響し、しばしば他の吐出パラメーターの決定を左右します。流量がミキサーがブレンドできる量より大きいと、材料の化学反応が適切に行われない可能性があり、逆に小さすぎると、ミキサー内で材料が早期に硬化し、詰まりや硬化不良を引き起こす可能性があります。このような要因は、コストのかかる機器のダウンタイムやメンテナンスにつながる可能性があります。

用途のタイプも、適切な流量を決定するための考慮事項です。ポッティングの用途では、流量が多すぎると、材料が部品に流れ込む際に空気を閉じ込める原因となる可能性があり、少なすぎると、アセンブリ部品が完全に充填される前に硬化が早まってしまう原因となる可能性があります。ガスケットの場合、高すぎると現実的なロボット速度を超えてしまう可能性があり、低すぎると貴重な生産時間を浪費してしまう原因となる可能性があります。

適切な比率を確保することで、フォームのセル構造が一定になり、性能に対する期待に応えることができます。A液とB液は一般的に粘度が異なるため、A液とB液の圧力をバランスさせて比率を保つことが重要です。混合比仕様外の吐出は、材料に筋を生じさせたり、セル構造に空洞や気泡を生じさせたりする原因となる可能性があり、最終的に性能と塗布の信頼性に影響を与えます。化学発泡の場合、化学反応によってフォーム構造が形成されるため、これはさらに重要です。

フォームガスケットやフォームカプセル化に動的混合バルブを使用する場合、均一なブレンドを達成するために回転エレメントのRPMをテストし評価することが不可欠です。材料の化学的性質にもよるが、混合を回転させすぎたり攪拌しすぎたりすると、過剰な摩擦や熱が発生し、材料が早く硬化してしまい、材料を基材に塗布するのに十分な時間がとれなくなることがあります。低すぎると、均一な混合を達成し、希望の化学反応を開始するのに十分な混合エネルギーをフォームに投入することができません。

スタティックミキサーは、材料の一貫性と均一性に影響を与えることができ、長さ、エレメント、直径、オリフィスなど、選択プロセスで考慮すべき変数があります。混合が困難なフォームには、より長いスタティックミキサーが必要であったり、完全に混合するためにエレメントの数を増やさなければならなかったりします。ゲルタイムが短い材料は、早すぎる硬化を避けるために、より短いミキサーを使用する必要があります。

動的に混合された化学物質を吐出することは困難です。用途に最適なプロセスウィンドウを特定するためには、生産前に適切なテストと検証を行う必要があります。フォームの吐出における豊富な経験、有効な材料のライブラリー、比率、流量、ミキサーRPMを 制御することでこれらの課題を簡素化する吐出機器により、グラコはお客様の生産工程を完璧なものにするお手伝いをいたします。お客様の用途に合わせた機器やプロセスパラメータについては、当社の専門家にお問い合わせください。